耳を傾けたり、しっぽを動かしたり、ペロペロ毛づくろいしたり…。
猫のかわいいしぐさには、意外と知らないスゴい機能が隠されています。
そんな猫の体の秘密を探ってみましょう!
猫の体の役割
1.【目】
①暗い場所でも見える
猫の目は眼球が大きく湾曲し、まるでビー玉のような形をしていますよね。
これは、光を取り入れるための水晶体が、大きくなっているからです。
そのおかげで、暗い場所でも瞳孔で光を調節し、よく見ることができるため、暗がりで狩りもできるのです。
猫が暗がりで見るために必要な光量は、なんと人間の6分の1程度で十分だとか。
暗闇で猫の目が光るのは、少ない光を集めて鏡のように反射しているからなんですね。
②くるくる表情が変わる理由
猫の目はくるくる表情が変わり、かわいいですよね。
これにも理由があるんです。
猫の目を観察してみると、日の光が強い場所では瞳孔が閉じ、細い針のような縦長になります。
そして、猫じゃらしで遊んでいるときや、飼い主の行動をよく観察しようと必死で見ているときは瞳孔が開いて目がらんらんと輝いています。
③猫の視力
猫は大きな目をしていますが、視力はあまりよくなく、人間の10分の1程度の近眼です。
遠くは見えていませんが動体視力は良く、動くスピードが人間よりゆっくり見えているため、素早く動くものに反応できるのです。
色は、青・緑・黄色はよく認識できますが、赤は認識しづらく、グレーっぽく見えているそうです。
2.【耳】
①驚異的な聴力
猫の聴力は、五感の中で一番優れており、犬の2倍、人の4倍以上もあります。
高音を聞き取る能力が高く、超音波も聞き取ることができるとか。
ネズミや種動物の出すかすかな高周波も聞き取り、狩りを成功させます。
家にいる猫がフードの袋のカサカサ音で飛んでくるのも、小さな音を聞き分けている証拠ですね。
②耳の動きで気持ちが分かる
猫の耳には20以上の筋肉があり、自由自在に動かすことができます。
左右別々に動かすこともでき、より正確に獲物の音を察知できるようになっているのですが、実は耳の動きには、気持ちが現れることもあります。
他の猫にあいさつするときや、獲物を探すとき、気分のいいときは、耳が前を向いています。
敵に威嚇されたり、飼い主に叱られたとき、気分の悪いときは、耳を伏せ気味にして防衛しようとします。
怖がっているときは、完全に耳を伏せてしまいますね。
3.【鼻】
①食べ物のチェック
猫は味覚が発達していないため、食べ物の安全性はニオイでチェックします。
猫の鼻には危険な食べ物を区別する防衛本能が備わっており、猫に必要な動物性たんぱく質かどうかも、ニオイで嗅ぎ分けているそうです。
②なわばりのチェック
猫の嗅覚は人の20万倍とも言われ、なわばりもニオイで判別します。
肉球から出る汗や頬のあたりをこすりつけて、臭腺のニオイをなわばりにつけて回るのです。
そのニオイを嗅いだ別の猫は、「ここは別の猫のなわばり」と認識する、というわけですね。
③飼い主もチェック
飼い主が家に帰ると、猫が体をこすりつけますよね。
これは、飼い主が外でつけてきたニオイを自分のニオイで消し、安心感を得ようとする行動です。
外で他の猫を抱っこしたり嫌いなニオイをつけていたりすると、威嚇行動をする猫もいるとか。
猫同士だと、お互いの体をこすり合わせてニオイをつけ、次に会ったときに仲間かどうか嗅ぎ分けられるそうです。
④鼻チュー
猫同士は、鼻をくっつけてお互いのニオイを確認し合う習性があります。
これは、相手の情報を得ようとしているしぐさで、人間も猫の目の前に指を差し出すと、猫が指先に鼻をくっつけてきてニオイを嗅いできます。
さらに指に頬をこすりつけるようなしぐさを見せたら、「撫でてほしい」のサインです。
⑤フレーメン反応とは
猫の口の中の天井部分に、フェロモンを感じることのできる「ヤコブソン器官」というものがあり、この器官でニオイを感じ取ると、上唇を巻き上げて半開きにし前歯をむき出しにする「フレーメン反応」という、独特な表情をします。
まるで「くっさ~」と言っているような表情ですが、実際にはフェロモンを感じて恍惚に浸っている表情です。
4.【舌】
①ザラザラしている理由
猫に舐められたことがあればご存知でしょう。
猫の舌は、ザラザラとしたなんとも言えない感触です。
このザラザラは、細かいとげのような突起があるせいです。
とげの一つ一つは、喉の方向にそり返っていて、獲物を捕まえて食べるときに骨から肉をこそぎ落とす役目をします。
とても重要な機能だったんですね!
また、毛づくろいをするときに、毛についた余分なゴミや抜け毛を取り除くブラシのような役割もしています。
猫の舌は「道具」として重宝しているんですね。
②味の感じ方
猫の味を感じる力は、人間の10分の1以下と言われ、繊細な味覚は感じませんが、毒物を避けるために「苦み」には敏感です。
また、腐った食べ物を食べないように、「酸味」もよく感じます。
砂糖などの糖分の甘さはほとんど感じませんが、肉などのアミノ酸の「うま味」にはよく反応し、好んで食べるようです。
5.【ひげ】
①センサーの役割
猫の代表的なヒゲは口の両側にあるもので、左右合わせて24本ありますが、常に生え変わっているので完全にはそろっていません。
目の上や頬骨辺りにもあり、ヒゲの根元にはたくさんの神経が集中しています。
ヒゲの先端が何かに触れると、その情報が脳に伝わり、吸気の振動もキャッチできるほどの感度です。
動くものの位置や大きさも把握でき、自分が通れる幅かどうかもヒゲで測っています。
②顔意外にもヒゲがある
猫の前脚を見ると、内側にヒゲが数本生えているのが分かります。
これは、顔のヒゲと同じ機能を持ち、足元にあるものは障害物を避けるときに活躍します。
猫のしなやかな動きは、このヒゲのおかげだったんですね!
③ヒゲの動きで気持ちが分かる
猫のヒゲは、猫の感情も読み取ることができます。
リラックスしているときは、ヒゲが下を向き顔に沿っており、緊張したり興奮したりすると、ヒゲがピンと立って前を向いています。
6.【しっぽ】
①バランスをとる
しっぽの長さは個体差がありますが、バランスをとるための大切な器官です。
ジャンプをするときや地面に飛び降りるときは、しっぽを高く上げてバランスを取ります。
フェンスや棚の上などの高い場所を歩くときは、片側に傾きそうになるとしっぽを舵のように使っています。
②しっぽの動きで気持ちが分かる
猫の感情は、しっぽによく表れます。
怒ったときに膨らんだり、嫌な気持ちのときにはパタパタと振っていたり、喜んでいるときにはしっぽをピンと立てて近づいてきたりします。
しっぽの動きで分かる猫の気持ちは、こちら👇の記事でご紹介しています。
7.【肉球】
①クッションの役割
触るとぷにぷにして気持ちいい肉球は、その感触の通りクッションの役割をします。
高いところから飛び降りるときに衝撃を吸収したり、狩りをするときに獲物に気づかれないように足音を消したりします。
②汗をかく
猫の汗腺は肉球にあり、暑いときに汗をかくものではなく、敵から逃げるときなどに緊張すると、汗が出ます。
逃げるときに高い場所に登ったりしますが、適度にかいた汗が、滑り止めの役割をします。
まとめ
猫の体のそれぞれの部位に役割があり、どれも理にかなった機能を備えているのがとても面白いですね。
猫のそれぞれのパーツを確かめて、コミュニケーションを楽しんでみましょう。
動画で観たい方はこちらです
それぞれの部位やその動きを動画👇で紹介しています。
コメント